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インドにおけるオフショアの現状
Dec 22, 2005 | The Economic Times

1、イントロダクション
サンタクララ大学の調査によると、シリコンバレーの企業の53%以上は、工程の一部あるいは全部をアウトソ\ーシングしており、その仕事の半分はインドで行われている。調査を指揮した、同大学経済学部のマリオ=ベロッティ(Mario Belotti)教授は「アメリカの製造業からのアウトソ\ーシングのほとんどは中国で行われるが、ITサ−ビスのアウトソ\ーシングとなると、間違いなくインドが中国の上をいっている。」と語った。

「国際的な企業成長に関するトップのコンサルティング会社であるフロスト&サリバン(Frost&Sullivan)社は、製薬部門で協力していくべきパートナーとして、インドを高く評価した。」最近ムンバイで行われた製薬業界のサミットである、世界製薬業界連合2005では、インドは製薬産業にとって資本効率性という点において競争優位を与えるのだ、と言われた。それはインドが、質の高いプロセス工学の技術者や化学者を多く抱えているということだけでなく、賃金率が低いということにも由来する。製薬産業やバイオテクノロジー薬品における世界中のアウトソ\ーシング市場の規模は、2010年までには600億ドルに達し、さらに2011年までには製薬産業の分だけでも250億ドルを超えると見込まれている。インドの競争優位性を考えると、これはインドにとって明るい話題である。

インドのアウトソ\ーシング産業は急速に発達している。インドがこれまで評価されてきたこと、今なお発展を続けていることを考えると、サービスや工業のあらゆる種類のアウトソ\ーシングにおいて、インドは世界のトップになるという予\測は間違いない。

すべてのアウトソ\ーシングプロジェクトは、契約から始まる。そこには委託者と受託者がおり、どちらもそれぞれ利益を上げなければならない。目的はプロジェクトの利益を最大化することである。それゆえ、プロジェクトを円滑に進行させることができるようなアウトソ\ーシング契約が、一体どのような要素によって締結されているのかを知っておくことも大切なことである。

2、アウトソ\ーシング契約
アウトソ\ーシングとは、それまで委託者が行ってきた業務を受託者が代行していくことである。アウトソ\ーシングを行うことは経済学的に有益であるが、契約交渉においては複雑な問題が絡んでくる。アウトソ\ーシング契約とは、委託者と受託者間の基本的な関係についての合意事項を書き記すことであり、しっかりと締結された契約とは、権限や、情報機密、雇用問題、知的財産権(IPR)、業務継続期間、国内法、契約解除といった問題を含めて熟考されたものである。それゆえ、契約文書を作成する上での注意事項や重要事項に関して私がこれから話を進めていくことも、きっと無駄ではないだろう。

3、アウトソ\ーシング契約の重要な内容
 1、サービス内容合意書(SLA)
   アウトソ\ーシングを行うにおいて、SLAは受託側のパフォーマンスを測り、監視する手助けとなるものであり、とても重要である。また同時に、そのプロジェクトに求められるサービスのレベルを理解し、現実的なアプローチを維持していくことも大切である。コストとの兼ね合いを考えなければならない。

   合意書には情報の詳細も含まれている。契約の継続期間や、業務委託開始日時、サービスの質、支払い期間、また保証、損失補償、免責事項のような問題である。合意書は、報告方法や、勤務評定の頻度あるいは方法に関して詳細に書かれていなければならない。同時に、契約の有効範囲の変化や、新しいサービス内容、ニーズの変化に柔軟に対応できるような合意書であるべきだ。

   さらには、委託者も受託者も、将来の変化にいかに対応していくか合意しておくことが大切である。例えば、技術における変化があったとしよう。もしテクノロジーリフレッシュ条項が合意書に存在するならば、定期的な技術のアップデートに対してタイムテーブルを固定して考えることができるので、技術的な契約不履行に関して、受託者が責任を問われないことが保障される。

 2、強制条項(EFC)
   特定の法制度を国際的なアウトソ\ーシング契約に適応させるためには、契約締結期間に、契約を規定する特定の法律(LGC)を選んでおくことが大切である。国際契約において考えておかなければならない観点は以下のようなものである。

    @、LGCの選択に関する記述がなければならない。
    A、LGCは、それが強制力をもつと定めた国において認められる。(こうした国を、以下ECと呼ぶ。)
    B、LGCがEC以外の国の法律から選定された場合でも、ECの全ての方式用件に適合している必要がある。ECの法規制に関して両者の合意がないことを理由に、契約が違法あるいは無効だとされてしまわないために、これは必要なことである。
    C、LGCがインドの国内法である場合、委託者の国内法に、インドの民事訴訟法の44A条 (訳者注:外国の裁判所で下された判決をインド国内で執行することができることを定めた条文)と同様の法律があることを確認しておくことは重要である。
    D、論争の解決方法として調停が選ばれた場合、仲裁条項(AC)は訴訟原因発生地、調停に関する規則(調停者の人数、調停者の選定組織)について言及していなければならない。調停者が一人だけ指名されるとしたら契約者間に見解の相違が生じ、ACは誰の意見が優勢であるのか始めから明確に定めておかなければならなくなってしまう。それゆえ、委員長の下に二人の調停者を置くのが慣行である。加えてACは、調停者の下した仲裁判断に両者ともに拘束されることを明記しなければならない。

 3、損失補償条項(IC)
委託者から受託者へ受け渡される全てのものの所有権は委託者に属することをIC明記しなければならない。ICの最も重要な目的は、受託者が定められた保証や約款に違反した際の委託者への損害賠償や裁判費用を、受託者に強制的に支払わせることである。この規定に関してもICに明記されていなければならない。こうした場合に受託者側からの反論は、契約に違反したわけではなく委託者から提供された技術などは使わずとも可狽ナあった、という類のものであろう。事前の対策としては、相互に、各自の責任に関して保険契約を締結しておくことである。よって保険契約の詳細に関しても合意書の中に含まれているべきである。もちろんIC自体はアウトソ\ーシング契約期間終了後も有効であることも加えておかなければならない。

 4、テクノロジーリフレッシュ条項(TRC)
         アウトソ\ーシング契約とは、一定の期間に関して定められるものである。しかし、技術は急速に進歩し続けるため、数年後の技術については見当もつかず、契約のなかで技術に関する記述もあいまいなものになってしまう。それゆえTRCが述べているのは、受託者は契約にある技術というものを、一定時間の経過とともに、そのときの技術として考えてよいというものだ。(一定の時間というのも、個別に定めなければならない。)

      これは強制条項でもなければ、それほど頻繁に見られる条項でもない。しかし、契約を更新し、契約期間を再考する権利を保つためにはTRCを定めておくことが大事である。これは両者に有益である。委託者にとっては受託者が最新の技術を用いることで作業効率のアップが期待でき、受託者にとっては技術の進歩に遅れをとったとしても、契約違反とされることがなくなるのだ

 5、IPR保護
         ソ\フトウェアの様に、知的財産権を委託者が所有している場合、アウトソ\ーシングにあたってはその権利の一部を受託者に一定期間使わせる必要がある。合意書ではそれを明らかにし、秘密保持規定も加えておかなければならない。

         データ保護に関して、インドでは特別規制が欠落しており、データ保護は概ね契約を通して行われる。委託者から外注された情報を保護するために機密情報保持条項を入れておくことが大事なのである。この条項によってどれが機密条項でどれが違うのか、具体的に指定する。次にその情報にアクセスできる集合を具体的に選定する。受託側のどの従業員は可狽ナあるのか、さらには下請けに出す場合など第三者のアクセスは、といった様に、条項に書かれた人以外に情報が漏れないようにするのである。情報保護に関する他の法律としては、IT法、著作権法、IPC(インド刑法)特別賠償法に加えて、これまで培われてきた慣習法もある。

         委託者から提供される情報に第三者の知的財産権が含まれている場合、ライセンシング契約がなされなければならない。受託者がこの知的財産を利用するためには、当該第三者にライセンス料が支払われなければならない、といったことも合意書に書かれておかなければならない。

         1970年の特許法によれば、ソ\フトウェアそれ自体は特許取得が可狽ネものではない。しかし、この法の3(k)条によると、工業への応用技術や、ハードウェアとの組み合わせでは取得可能\である。
    
 6、雇用条項(EPC)
EPCは交通費、食事手当、出張手当、年次休暇といった報酬規定について詳細に定めたものであり、昇進の際の基準として使われることもあった。

雇用者と労働者間の契約条項は不明瞭さがあってはいけないため、扱いづらい問題である。合意書の中には保証規定が存在し、例えば雇用者は労働者の素性、経歴、職歴を確認できる。労働者は機密保持条項に合意しなければならず、そこでは、明らかな契約違反となる事項が列挙されている。EPC条項を穀zする一方で、インドの労働者関連の法に目を通すことも大事であろう。いくつか下に挙げておく。1965年の特別賞与支払い法、1972年の賜金支払い法、1961年の出産給付金法、1948年の労働者国民保険法、1952年の労働者準備基金及び雑則法。

 7、業務委託
受託者がさらに下請けとして業務委託をする場合もあるが、こうした場合、委託者の事前承諾が必要になってくる。受託者と下請け業者の間の契約に従って、アウトソ\ーシング合意書では、二者の法的責任の程度を明確にしておかねばならない。またこの条項では、受託者が第三者に情報やデータを委託する前に、委託者からの承認が必要なことを厳命するべきだ。他に明示しておくべきことは、受託者が契約内容の一部を下請けに委託するためにライセンシングを行い得ること、受託者が下請け業者の契約不履行に関して金銭的に責任を負うこと、守秘義務や補償に関して下請け契約の中に盛り込まれていなければならないことである。

 8、契約解除条項(TC)
契約解除の条件は、合意書の中にあるか、あるいは利便性のあるものでなくてはならない。いずれにせよ、合意書では契約解除の方法とその実行力に関して明記しなければならない。契約時に合意される解除条件は、明確かつ明瞭なものでなければならない。契約解除条件は合意書作成段階で同意に到り、合意書に盛り込むことが大切である。将来的に訴訟が起こり得ることを考えると、長期にわたり費用もかさむ負担となるが、その大部分を回避できるのだ。例えば、契約解除が契約不履行を理由とする場合、訴訟が起こり得ることを念頭において、損害賠償や裁判費用の賠償に関して合意書に明記しておくべきだ。また合意者たちの利便性がなくなったことを理由する契約解除であれば、友好的な解除の方法についても明記しておく必要がある。一方的な解除であれば、相手の損失を最も少なくするような解除方法についてもTCに書かれていなくてはならない。

 9、管轄裁判所
契約の神聖性とは、その強制力に起因する。契約における実体法がインド以外の国内法であった場合、最大の関心事はその強制力である。すべての国においてインドのように裁判所の判決に強制力があるわけではない。インドで判決を強制執行するにしても6−7年、あるいはそれ以上がかかる。多くの場合、インドの裁判は時間がかかるのだ。1963年の出訴期限法によると、判決が下された日から12年ということになっている。

4、結論
インドは中国とならび、アウトソ\ーシングビジネスの立役者である。インドは2011年までにはトップになるだろうと予\測される。これが現実になるためには、アウトソ\ーシングビジネスは、提供されるサービスの質を落とすことなくさらなる速さで成長を続ける必要がある。しっかりした運動が理想体型を作るように、よく推敲されたアウトソ\ーシング契約の根幹には、アウトソ\ーシングビジネスの円滑な稼動があるのだ。アウトソ\ーシング文書の中で具体化された仕様書によって、アウトソ\ーシングプロジェクトの効率性の大部分が決まる。

質の高い合意書を作る費用は、質の低い合意書であった場合にかかる訴訟費用などに比べれば、微々たるものである。

明確で細かいが柔軟であるような洗練された文書を作成することは、そのアウトソ\ーシングビジネスの価値を決定する、評価のパラメータとなる。それゆえ、委託者に提案されるサービスを含めて、契約の詳細を決めるのに最大限の努力をする価値があるのだ。

Translated by Takashi AKAHOSHI

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